仕事中にぎっくり腰を発症した女性
一般的な日本の社会人は、一日の生活の中で概ね8時間から10時間程度は、仕事に関わっていると考えられます。

これは、24時間のうちの最低3分の1は、働いているということになります。

荷役作業やデスクワークや接客業など、業務形態は異なりますが、どの業務の姿勢でも腰への負担を避ける事はできません。

つまり、ぎっくり腰はどこにでも潜んでいるのです。

会社での怪我は、社会保険に会社が加入しているのであれば、労災保険が適用されますが、ぎっくり腰の場合も労災事故に認定してもらえるのでしょうか?

労災保険は、労働者災害補償保険法(労災保険法)に基づく制度です。

労災保険法 第一章第一条

労働者災害補償保険は、業務上の事由又は通勤による労働者の負傷、疾病、障害、死亡等に対して迅速かつ公正な保護をするため、必要な保険給付を行い、あわせて、業務上の事由又は通勤により負傷し、又は疾病にかかつた労働者の社会復帰の促進、当該労働者及びその遺族の援護、労働者の安全及び衛生の確保等を図り、もつて労働者の福祉の増進に寄与することを目的とする。

労働者災害補償保険は、政府が取り扱い、保険給付のほかに、社会復帰促進等事業も行なっています。



業務内容との因果関係

労災保険がぎっくり腰に適用されるかどうかは、その災害が確かに業務上や通勤上の、なんらかの原因で発症したことが明らかである必要があります。

業務上災害というのは、就業中に業務が原因となって起こる災害です。

また、通勤災害というのは、勤務場所と住居、単身赴任先の住居から自宅への移動中に起こった災害です。

したがって、慢性疾患の持病を持っている場合には適用されません。

高血圧の治療を病院で行なっているケースなどは除外されます。

ぎっくり腰と業務の間に密接な因果関係があれば、適用の可能性はあります。

しかし、ぎっくり腰は、日頃の姿勢や生活習慣によって、蓄積された腰部の疲労が原因となり、日常のふとした動作で起こるものですから、事故単体で起こるだけのものではありません。

実例として、業務中に荷物を持ち上げた途端にぎっくり腰になった場合、激しい痛みがある間は労災保険が適用されるでしょうが、その後の慢性的な痛みには適用されないでしょう。

その場合は、健康保険を使って病院での治療となります。

この様に、仕事中にぎっくり腰になったからといって、問答無用で労災保険が適用されるわけではありませんし、適用されたとしても内容は限定的となります。

痛い思いをせず安心して仕事を続ける為には、労災保険を当てにするよりも、ぎっくり腰にならない体づくり、つまり自己管理が重要だと言えるのではないでしょうか。