脊柱のS字カーブのイメージ
ぎっくり腰を含め、腰痛は二足歩行を行なう人類には避けられない疾患であり、誰もが腰痛の危機に直面する可能性を持っています。

人は、体重の70%もある重い上半身を二本の足で支えているため、腰には相当な負担がかかっています。

その重みに耐えられるように、脊柱(せきちゅう)はS字カーブになっています。

正常なS字カーブをした脊柱は、バネのような弾力を持っており、歩いたり走ったりする時に頭への衝撃を弱めたり、頭や肺、臓器の重みのバランスをとったりすることができます。

しかし、過重な負担がかかると、耐えられなくなり、痛みを招きます。

例えば、激しいスポーツをした後、立ちっぱなしの仕事が続いた後、腰をかがめて農作業をした後、会議やデスクワークで座りっぱなしの後、長時間の運転の後などに、腰が重くなったり痛みを感じることがよくあります。

そのほとんどが、同じ姿勢を長時間続けた結果、腰部の椎間板や筋肉に過重な負担をかけ続け、疲労が蓄積されたことが原因なのです。

椎間板は、加齢にもよりますが、年齢にかかわらず、こうした腰への過重な負担による疲労の蓄積によっても老化します。

また、骨やその周辺の組織を支える筋力が衰えている場合、疲労が続くと急な動きに耐えらません。



原因が積み重なってぎっくり腰に

ぎっくり腰の危機に近づいている女性
このように、ぎっくり腰は腰部の疲労が蓄積する日常生活の中で起こります。

デスクワークが多い人に見られる前のめりの姿勢、腹筋の弱い人や肥満気味の人に見られる後ろに反った姿勢では、腰部に負担をかけてしまいます。

いつもの自分の姿勢が、知らず知らずのうちに自分自身をぎっくり腰の危機へ近づけているということになります。

慢性的な腰の疲労は、骨格の歪みの原因となることもあります。

骨格が歪むと、周辺の筋肉や靭帯のバランスが崩れて、引っ張られる所やたわむ所が出てきます。

引っ張られた筋肉の血行が悪くなり、栄養不足となって、ますます疲労してしまいます。

また、筋肉が疲労すると靭帯がゆるんで、骨がずれたりねじれたりすることがあります。

骨盤と足の可動に重要な仙腸関節(せんちょうかんせつ)がずれると、左右の筋肉の長さが狂いバランスが崩れるため、ますます筋肉の疲労につながります。

こうして疲労しきった筋肉が、不用意な姿勢で筋肉を使いそこなったり、体重をかけそこなったりした瞬間に、痙攣(けいれん)を起こしたり、損傷したりしてぎっくり腰となるのです。